兄だって、たくさんたくさん苦しんだんだ
「もういいよ。過ぎたことじゃん。
あたしも一樹は大切なお兄ちゃんだから」
兄の顔は涙でグチャグチャ。
目は真っ赤で、鼻も赤くなっていた。
兄との久しぶりの再会。
もとの仲良し兄妹に一歩近づいた気がした
兄に父を取られた気がして恨んだ
時期もあったけど、今、兄の涙を見て、
すべてがどうでもよくなった。
兄の金色だった髪は真っ黒に、
ピアスもなく、タバコの臭いもしない。
ガソリンの匂いがほのかにあった。
大好きな大好きなお兄ちゃん。
昔と変わらないって言ってくれて、
ありがとう。
でもね、お兄ちゃん。
あたしは昔とは違うんだよ。
汚れてるんだ。
もう昔のあたしじゃないんだ。
卑怯で弱々しくて汚いんだ。
兄との再会も束の間の幸せだった。
兄は仕事に行き独り暮らしを始めたから、
この家にはあたしとあの父だけ。
「もういいよ。過ぎたことじゃん。
あたしも一樹は大切なお兄ちゃんだから」
兄の顔は涙でグチャグチャ。
目は真っ赤で、鼻も赤くなっていた。
兄との久しぶりの再会。
もとの仲良し兄妹に一歩近づいた気がした
兄に父を取られた気がして恨んだ
時期もあったけど、今、兄の涙を見て、
すべてがどうでもよくなった。
兄の金色だった髪は真っ黒に、
ピアスもなく、タバコの臭いもしない。
ガソリンの匂いがほのかにあった。
大好きな大好きなお兄ちゃん。
昔と変わらないって言ってくれて、
ありがとう。
でもね、お兄ちゃん。
あたしは昔とは違うんだよ。
汚れてるんだ。
もう昔のあたしじゃないんだ。
卑怯で弱々しくて汚いんだ。
兄との再会も束の間の幸せだった。
兄は仕事に行き独り暮らしを始めたから、
この家にはあたしとあの父だけ。