お願いだから。

さとみの寝顔を見ながら、そう思った。



次の日、百合がさとみの家を訪ねて来た。

「どうして早く言ってくれなかったの?

百合だって友達だよ。

夏菜のこと大好きだよ」

百合はあたしに抱きつき

ポロポロ涙を流した。

「ごめんね……」

百合には、さとみが一通り説明してくれた

ようだった。

なんだか温かかった。

あたしはいつも独りぼっちで、

だれにも必要とされてない。

そう思って生きてきた。

いつ死んでもいいって思ってた。

でも今は確実にさとみと百合が

そばにいてくれる。

二人はあたしの救世主。

そして、かけがえのない大切な親友。

「あたし、そろそろ帰るね。ありがとう」

あたしがそう言い頭を下げると、

百合もさとみも心配そうに、

「夏菜、本当に大丈夫?」

そう何度も言ってくれた。

「夏菜ちゃん、気分よくなるまで

まだいてもいいのよ?

おばさん気にしないから。

夏菜ちゃんのことは、ほんとの娘の

ように思ってるから」