本当に本当にうれしかった。
それを着て、さとみの部屋に向かった。
戸を開けると、さとみは暗い中、
膝を抱えて泣いていた。
「さとみ?」
「どうして夏菜ばっかりこんな目に
遭わなきゃいけないのよ!
あたしは悔しいよ!友だちのに
助けてあげられなかった。ごめんね……」
「ううん。泣かないで。さとみが泣くと
あたしも悲しいよ……。
それに気持ちだけで、あたしは十分
うれしい。さとみがいてよかった。
それにあたしのことは自業自得だから。
もうこれでわかったから。大丈夫だから」
「夏菜っ……」
さとみはあたしに抱きつき涙を流した。
それはとてもきれいな涙だった。
その夜は二人で泣きながら語り合い、
姉妹のように眠りについた。
さとみ、ありがとう。
でもね、自分でもわかってる。
仕方ないって。
あたしは自業自得なんだから。
こうなっても仕方ないようなひどいことも
たくさんしたんだから。
だから、あたしのために
きれいな涙を流さないで。