あたしは途切れ途切れに話した。

「夏菜!しっかりして!

今どこにいるの!?」

あたしが弱々しい声で場所を告げると、

「今行くから動かないでね!」

そう言ってくれた。

「もう少しで着くから、大丈夫だから。

すぐ行くからね」

さとみは、あたしのもとに向かってる

途中も電話を切らないでいてくれた。

そのおかげで、あたしは少し落ち着けたの

かもしれない。

「夏菜!」

10分くらいたったとき、後ろからあたしの

名前を呼ぶ声が聞こえた。

さとみだった。

「さとみぃ……」

自分の血液とアイツらの汚い精液

混じりのあたしの体を、

さとみはしっかりと抱きしめてくれた。

「もう大丈夫だから!

あたしがそばにいるから! 」

そう言ってギュッと強く抱きしめてくれた

さとみの胸の中は温かかった。

あたしは、さとみの胸の中で嗚咽した。

さとみはハンカチで手際よく、

あたしの手首を止血し、

ふらふらのあたしの体をしっかりと支え、

自分の家まで連れて行ってくれた。

さとみの涙がポタポタあたしの

手の甲に落ちる。