冷たい冷たい……まるで氷のような目で。

そして竜也は、あたしの顔にツバを吐いた

「お前みたいな女、

好きになるわけねぇだろ。

レイプされたり援交したり

気持ち悪いんだよ!オヤジとやって

感じてたんだろ?お前みたいな女は

男の正処理玩具なんだよ!」

竜也の口から発せられた言葉が、

あたしの脳内を支配する。

「竜也、言いすぎ~」

二人の笑い声の響く中、ボロボロの服に

上着だけ羽織り竜也の家を飛び出した。

あたしは走れるだけ走り、

過呼吸で倒れた。

苦しい、苦しい……。

もうイヤ。なにもかもがイヤ。

あたしは鞄からカッターを取り出し、

左手首を切った。

いつもより深く、深く。

深紅の血が流れ、

アスファルトを染めていく。

そのときあたしの頭の中に浮かんだのは、

さとみと百合。

あたしは震える手で、着信履歴から

さとみに電話をかけた。

コール音がとても長く重く感じられた。

「もしもし、夏菜?どした?」

さとみの声を聞いたら、

また涙がこぼれた。

「夏菜?」

「さとみっ……あたし…また汚れちやった」