竜也は顔を上げて、あたしを見つめた。

「もういいよ。話さなくて。

つらかっただろ?俺は裏切っり

しないから。心配するな」

そう言ってあたしを優しく抱き寄せた。

信じてた。

この人だけは違うって、そう思ってた。



その数日後、竜也の家に呼ばれた。

竜也になら、すべてを委ねられる。

あたしはそう思ってた。

竜也の家に向かう足取りは

軽く感じられた。

これから何が起こるかもわからず、

竜也の家の扉を開けた。

「お邪魔します」

あたしが玄関に入り挨拶をすると、

竜也が迎えてくれた。

「上がって」

そう言った竜也は、なんか素っ気ない。

お互い無言のまま、

竜也の部屋の扉を開けた。

そこには二人の男がいて、こちらを

見ていた。

「こんにちは~夏菜ちゃんだよね?

いつも竜也から話聞いてるよ。

俺は竜也の友達の修二。こっちは孝宏」

そう挨拶され、あたしは頭を下げた。

竜也は勉強机に座り、

あたしが会話している様子をずっと

見ていた。