里奈には、

バイトしていると嘘をついて……。



そんなあたしにも友達ができた。

秋山百合。

背が小さく色白で可愛い子。

辻宮さとみ。

背が高くてモデルみたいに美人で、

頼まれるお姉さん的存在。

あたしは入学してすぐに、

ピアス、スカート丈、態度の悪さで

担任に呼び出された。

だけどあたしは職員室には行かず、

屋上でタバコを吸っていた。

そんなとき声をかけてきたのが、

さとみだった。

どんなに仲がよくても

二人には言えなかった。

家庭のこと、レイプのこと、

援交のこと……。

言ったら、きっと離れてしまう。

自分の考えの汚さには呆れる。



一ヶ月ぶりに妹の里奈に会った。

里奈は以前はプクっとしていたのに、

目の下にクマができ、げっそりしていた。

「里奈、どうしたの?

なにかされてるの? アイツに」

あたしは母のことをアイツと呼ぶ。

もう、お母さんなんて呼びたくないから。

「大丈夫だよ!最近寝不足なの」