何度も何度も性器に指を入れ
精液を掻き出した。
そうしたところでレイプされた
事実は消えないのに。
何度も何度も……。
あたしのすすり泣きとシャワーの音だけが
静かに浴室に響いていた。
里奈には触れない。あたしは汚れたんだ。
あたしはその日から、なにもかも拒絶した
母はあいかわらず家にいない。
心配する里奈を追い払う、ひどい自分。
レイプされたときの映像が、
頭の中でフラッシュバックする。
怖い。怖い。
もうやめてよ。殴らないで。
気づくと手にはカッター。
あたしは左手首を
スーッとカッターで切った。
チクッとした痛みのあと、
真っ赤な血がにじんでくる。
なんだか気持ちが落ち着いた。
もっと切りたい。
だんだん、そう思うようになっていた。
リスカを始めると、やめられなくなった。
一種の依存症のようなもの。
あたしは、きっと狂っていた。
カッターを握り手首や腕を切っては、
流れる血を見てケラケラ笑うあたし。