ダルそうな声で電話に出る七海。

「あたしっ、秋人にっ……」

そう言いかけると七海は笑った。

「もう処女喪失できたぁ?」

はっ????

「秋人にあんたをやれって言ったのは、

あたし」

「あたしたち友達だよね?」

「あんたバカ?んなわけないし。

ウザイしあんた」

そう言って電話は切れた。

裏切り。

信じてたのに。

あそこも、あたしの居場所ではなかった。

また大切なものを失った。

取り返しのつかない、

もどることのないもの。

あたしは処女では

なくなったのだから。



あたしはただひたすら泣きながら、

いつの間にか自分の家の前にいた。

家に帰るのは、どれくらいぶりだろう。

家に入ると母はおらず、

久しぶりに見る妹の里奈が

泣きながらあたしを抱きしめてくれた。

「お姉ちゃん、会いたかった……

寂しかった」

そう言って泣いてくれた。

しかしそんな里奈をあたしは拒絶し、

風呂場に走るとひたすら汚れた体を洗った