駅前からあたしんちは
歩いて30分くらいかかる。

『つばさの家どこなの?』

『あー俺んちは駅から10分くらい』

てことはあたしんち送ってから
また戻るってことか。申し訳ない。

『わざわざごめんね。ありがと』

『おう。』

ここからすこし沈黙。
そしたら翼に質問されたんだ。

『なんで愛って彼氏作んねーの?』


翼には言ってもいいかな。なんて
おもっちゃって。いっちゃったんだ。

『むかし付き合ってた男に裏切られた
ことがあって。めちゃくちゃ
好きになって、信じて。でも結局
離れてっちゃって。なんか恋とか愛とか
馬鹿馬鹿しいなって思えてきて。
でも好きになりたい気持ちはあって…
でも…こわくて…』

気づいたらトラウマを思い出して
あたしは泣いてた。

『人を好きになるのがこわくて
あたしはもう汚れてる。
愛のない行為なんてふつうに
できるようになってる。
どうしたら変われるのかな…』