次の日の放課後。
美香は部活を休み直樹の家に来ていた。
｢家に帰れよ｣
部屋を陣取られた直樹は不満気に言った。
部屋にはヘッドホンを耳に当てた美香が、直樹の部屋に堂々と居座っていた。
｢家からだと受信範囲外だから無理｣
俯せになりながら、美香はヘッドホンから聞こえてくる声に耳を澄ませながら言った。
直樹は溜め息を吐き、反対側にある椅子に腰を下ろした。
それ以上話すことはなく、二人の間に暫く沈黙が続いた。

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