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「颯ーーーーーーーーーーーーッ!!!」


月や星が夜空で煌めき

夜風はもうはやくも秋の香り

窓の外でセミは鳴き

少し暑さの残る夏の夜。


隣の家からこんなにも大きな声が聞こえたのは生まれて初めてだった。

「どうしたんだろう」

一緒に食事をしていた父と母は少し心配した様子で言った

颯がどうかしたのかな
大丈夫かな

この時はほんの少しの心配だった




何故か急に妙なくらい辺りが静まり返る


「ちょっと見てくるわ」


そう言って母は食卓を立った