「良いも何も、俺とそいつはもう一切関係ねぇから。お前の好きにすればいい」

「ふぅん。そう。もしかしてまだお互い未練があるのかなって思ったけど、さすがにそれは俺の勘違いだっみたいだね」

「……ねぇよ。じゃあ俺行くわ」

冷たく言吐き捨てるようにそう言うと、そのまま早足で教室を出て行ってしまった雄大。静まり返る教室には、遠くなってゆく雄大のバッシュの足音だけが響いていた。

気付けば私の頬には温かいモノが伝っていて、それが涙だと分かった時にはもう留められないほど溢れ出していた。


「……ウッ、な……んで、あんなこと…………ヒックッ、ヒドいよ……壱樹の、ばかぁ!」


怒り任せに壱樹に飛びかかって、胸をポコポコ叩く。こんなのただの八つ当たりなのは理解してても、こみ上げる怒りと悲しみをどこにぶつければ良いのか分からない。

「……ウウッ、も、やだ………、っ!?」

「こっちは未練タラタラみたいだね」

そのまま壱樹に優しく抱きしめられ、子供をあやすように上下に背中をさすられる。