自分の顔を隠すように下を向くと、フッと自分に影がかかった。




「どうかしたか?」




頭上から聞こえるその声に、さらに顔は熱くなる。




「う、ううん。ダイジョブデス……」




俯いたままそう言った私を心配してか、滝本くんは私の顔を覗き込み、あろうことかおでこに手まで当ててきた。




「う、わぁ!!」




思いもよらなかった出来事に、私は体をのけぞらせる。




「あ、悪い」




私が嫌がったと思ったのか、滝本くんはポツリと謝った。




「顔が赤かったから熱があるかと……」




「い、いや、そんな……!!別に嫌だったわけじゃなくて、」




むしろご褒美です。




言いかけた言葉は口から出る寸前で止めた。




危ない危ない。