正直にそう答えると、再び笑い出す藤田君。
「ヒーっ、く、苦しい。あ、佐原さん、ふはっ。こいつ、別に怒ってないからね、ぶはっ」
お腹を抱えてそう言う藤田君に、私の頭の中は「？」でいっぱいになる。
「はー。いやぁ、ね？こいついつも無表情でしょ？んで、さっきもため息とか吐いてたけど、あれこいつが照れた時の癖だから」
やっと落ち着いてきたのか、藤田君はそう説明を始めた。
「コイツね、笑った顔とか見られんの恥ずかしいんだよ」
藤田君がそう言うと、今まで黙っていた滝本くんが
「おい、」
と藤田君の言葉を遮るように言った。
「こう見えても、今みたいに一人の時とか俺の前じゃ超表情豊かだから」
ニヤッと笑ってそう言った藤田君に対して、滝本くんは眉間にしわを寄せる。
