「忘れられるのは…俺には耐えられない…
千咲が来なかった三週間、俺の世界から色が消えたんだ」
私と同じだ…
「千咲がいない世界に魅力を感じない」
私も夏川君がいない世界に魅力を感じない…
「だから、千咲がいくら俺のことが嫌いでも、俺は千咲を嫌いになれない」
『そうやって私の心を掻き乱すのはいつも夏川君なんだよ…』
何言ってるんだろう
『私の世界は、夏川君中心に廻ってるの』
「何…言ってるの?」
自分でもよくわからない…
『これ以上…私の心を掻き乱さないで…』
言ってしまいそうになるから…
“好き”
って…
「泣くほど…俺のことが嫌い?」
泣いてる?
気が付くと、私の頬には一筋の涙が流れていた…
『…。』