ー…白井翼。
あぁ、私だ。うん、飛べない翼。
白くなんかない、私は真っ黒なのに…


「綺麗な名前。」


陸でもない知らない男の子が大きくもなく小さくもない声で私をジッと見てそう呟いた。


自分の名前を少しだけ誇りに思えた、あの瞬間は確か…2年前、私が14歳のときった。