――――…、

「…え。」

「うん」

私、花森(はなもり) 眠夢子(ねむこ)は、おばあちゃんを目の前に唖然としている。

なんで、というか。


―この家には住めなくなった―


「おばあちゃん、それ大丈夫なの…?」

「どうも急に土地を買い取られて…、私は大丈夫だけど、眠夢子は学校があるだろう??」

「私、おばあちゃんに着いていくよ?」

「駄目だよ、アンタあんなに勉強してやっと受かった高校だろ?」

「そんなの気にしないよっ…!」


だって、私が居ないとっ…

私が居ないとおばあちゃんは、独りじゃない…

「私は独りじゃないよ眠夢子、天国のおじいちゃんだって、眠夢子のお母さんだって、私を見ててくれてるさ。」

ポンと私の頭を撫でて見透かしたように語るおばあちゃん。

「眠夢子の次の家は決まってる、私の知り合いの所さ。優しくて暖かい所だ、眠夢子もきっと気に入るよ。」


「…おばあちゃん」

私は静かに頷いた。

おばあちゃんは優しく微笑んだ


「頑張るんだよ、眠夢子」


――…と、言う出来事があった。

そして私は今荷物を抱えてある家の前に居る。

「大きい…」

クリーム色の壁に透き通る様なライトブルーの屋根、周りにはお洒落な花が咲いててお洒落な柵がある、まるでお城だ。

ここが『斬縁荘(ザンネンソウ)』、私の新しい住居…?

にしても、どうやって入れば…?



「何か用でしょうか??」

「ヒェッ…!あっ、いや、あのっ、…」


突然声をかけられて驚き後ろを振り返るとホウキを手に着物を着た人が立っていた。

ヒ、ヒエッて……。



「あ、もしかして君が花森さんかな?」