2人とも、耳を塞ぐ。
「声も、相変わらずでけーな」
「だ、だ、だって!嘘でしょ!? 3年前まで、あんな…
あたしと身長変わんなかったし!声もっと高かったし!」
すると、お母さんが奥の部屋からひょいっと顔を出した。
「あれ〜!2人とも大きくなったね!お久しぶり!」
「はい、おばさん。お久しぶりです。」
「いや〜イケメンに成長しちゃって…
櫻子、全然変わってなくて逆にびっくりしたでしょう?(笑)」
「もう!お母さんうるさいッ!!」
「あー、はいはい。ごめんなさーい。」
そういってどこかに消える。
「まぁ、櫻子ちゃんが驚くのも無理ないかな。
でも男子なんて、そんなもんだよ。3年あれば十分大きくなるよ(笑)」
「逆に、おばさんの言う通り。お前成長してないな。背、低すぎだろ(笑)」
し、失礼なッ!あたしが1番気にしてることを…!
それに何か、涼くんね言い方…うざい!!
「 Be quiet!! I grew by 5cm in three years! 」
(うるさい!3年で5センチ伸びたんだから!)
ふん!どうよ。
帰国子女の実力!発音良すぎて分かんなかったでしょう!
「え、3年で5センチとかお前…可哀想に。」
「はぁ!?何よ〜!涼くん前と全然違う〜!」
てか何で分かったの!?
「俺、英語のテスト常に95点以上だし。」
あたしの心を読んだかのように涼くんが言った。
「涼介、さすがに失礼だよ。櫻子ちゃんだって気にしてるんだから…
でもまぁ、櫻子ちゃんは本当変わってないね。何か安心したよ(笑)」
「奏くん…奏くんも相変わらず優しいね!」
「ははは、ありがとう。
じゃ、そろそろ学校行こっか。入学早々遅刻は嫌でしょ?」
「あ、ほんとだ!
じゃあお母さん、いってきます!」
「いってらっしゃい!奏多くん、涼介くん、櫻子をよろしくね〜」
キッチンからお母さんの声が聞こえた。
「はい。任せて下さい!」
奏くんが言った。
涼くんも一応返事したけど、エレベーターにさっさと乗ってしまう。
「あ!待ってよ!」
「お前、遅い。早くしろよ。」
「な、何その言い方!レディーファーストって言葉を知らないの??
奏くん!涼くん、何でこんなになったの?」
「え、何でって…俺に聞かれてもわかんないよ。」
「別に何でも良いだろ。」