キンッ キンッ キンッ


満月が浮かぶ黒い闇に、銃弾が鈍く光る


銃弾をコイントスのように
黒いの服の少年は器用にクルクルと回していた

「 あーぁ、暇だなぁ~ 」

 ビッグ・ベンにそっくりの時計塔を見ると
あと、10分で10時になる。

 13階の寂れたビル。
 その屋上にいる少年は、大きなライフルのスコープを覗き、目標物を監視する。
 その横には空のギターケースが置いてあった。

「 おっ?? 」

 キーーンっと銃弾が高く舞い上がり素早くキャッチする。
 目標物に近づく若い女性に少年が敏感に反応したのだ。

「 スッゴイ可愛ぃ~!娘さんかなぁ?
    でも、ごめんね…」

さっきの可愛らしい少年とは変わり

 見る者 全てが嫌悪感を抱かせるような笑みで彼は言った



 「   貴女のお父さんの命は

      僕が貰うからね    」



~☆☆☆~