佑真君がマンションの中へと入るのを若干睨みながら見届けると、
「サイン、……要らなかったかも」
そう一人呟く。
そして胸に抱いていたノートのページを捲った。
『28点馬鹿、葉月へ。
サインなんて書くかバーカ』
これは……。
一瞬目が点になる。でもそれも一瞬の事。
「絶対に要らなかったし!あのガキがぁぁぁあ!!」
怒りに満ちた私の叫びが公園に響くと同時に、ノートを乱暴に鞄へと突っ込む。
小学生相手に剥きになるのも……、何か大人気ない。
なんて思ってたけど、もうそんな体裁どうでも良い!
許すまじ、クソガキ佑真君!!