「別に文句はないけど……。私、佑真君より年上なんだけど」
「でも、葉月だろ」
「ん?」
佑真君の返しに首を傾げたのは、意味が分からなかったから。
「年上でも、年下でも葉月は葉月だっつー話」
ん?ん?ん?
意味が分かんない!
そりゃ、私は私だけども。
「わけ分かんないんだけど」
首を傾げたままの私へ向けられる馬鹿にした目。そして、
「葉月のバーカ」
という直球の言葉。
「バカ言う人がバカなんですー!」
「うっわぁ。……ほんとバカだな」
「バカちゃうわいっ!」
佑真君は本当に可愛くない!
…………でも、……だから余計に胸が締め付けられるくらいドキドキする。
ムカつくのに、繋がれてる手は離してほしくなくて。
本当は家まで送ってもらえるのが嬉しくて。
日はまだ明るいから、……今日はこの手に甘えよう。
そう自分に言い聞かせる私は、自分勝手なのかもしれない。