「っ……ここっ」 歩き続けて、やっと森を抜けたかと思ったら……。 目の前には、夕麻くんの別荘。 歩きまわって、結局同じ場所に戻ってきてしまった。 私……もう一生、逃げられないの? 絶望に支配され、正気を失いそうになりつつも。 ヨロヨロしながら別荘の中へ。 中は明かりが点いてなくて真っ暗。 私は電気も点けず、台所に行って冷蔵庫からお茶を取り出して一気に飲んだ。