「誰かー!!いないのー!!助けてっ……」


何も考えず、必死に叫んだ。



とにかく怖かった。

とにかく助けを求めた。



冷静さを失っていたとはいえ、やはり叫んだのは失敗だった。


だって……。








―ガサガサ



「ひっ……」



いきなり茂みのガサガサという音が辺りに響いた。




「だ、誰っ……」



パニックになりそうな心を抑えながら、叫んだ。