白い壁 白い布団 白い机 白いカーテン

 清潔感のある個室の病室に朝日が差し込み、外の景色がキラキラと輝いて見える。

「 ‥………はぁ… 」

  外に出て沢山の景色を見てみたい

 自分が触れた事のない、物語のような世界に行ってみたい いつしかそう思うようになった。

 小篠 俊(こざき しゅん)は、重い心臓病で外に出た事がほとんどない。
 三歳の頃からこの病院に入院して、学校にも行ったことがないため友達もいない。

 でも、明るく天然な性格に周りの看護師から可愛がられて寂しくはなかった。