アタシは鞄の中からスケッチブックと鉛筆…消しゴムを取り出した。

今日は桜が綺麗やったけん桜の木の真下から描くことにした。
何故だか無償に桜に会いたくなった。
気がつくとアタシは階段を駆け降りてた。
そして…息を切らしながら廊下を走っていた。

桜の木は体育館の近くに一本大きいのがある。

桜の木に近づいてきたが、アタシの足は止まる。
先約がいたからだ。
桜の木の下に一人寝ている人がいた。

目をこらして見てみると、“美”がついてもおかしくない程の男であった。
アタシは真下から描くことを諦め、桜の木全体を描くことにした。


明日こそは…真下から描こう…。




これがアタシと大翔の蕾…。