六月二十六日
外では雨が降っていて、部屋の天井らへんから音が鳴っていた。
修学旅行を明日に控えた夜。
私は自室で持ち物のチェックをしていた。
「…よし、こんなものかな」
チェックするために持ち物を鞄の中から出していたので、しまっていく。
全部しまい終わったのを確認し、いつも使っている勉強机の上に置いた。
これで明日の修学旅行の準備はバッチリ。
私は明日から3泊4日で京都へ修学旅行に行く。京都へは何度か行ったことがあるが、学校の友達と行くのは初めての経験でとてもわくわくしている。
ベットにごろんと仰向けになる。
「遂に明日かー…」
ふふ、と思わず口角が上がった。自分を落ち着かせるためにもゆっくりと目を閉じてみる。
サァーーーー
自分の頭の中に白い映像が急に流れてきた。
桜の木の周りで、若い男女がきゃっきゃっと声を上げながら走り回っていた。
男が女を後ろから抱き抱えるように捕まえ、女も凄く幸せそうな顔をした。
二人は顔を見合わせ、微笑み
ゆっくりとキスをかわした
「い、今の…何?」
気付いた時にはいつも見ている天井で、さっきまでの桜の木は勿論、若い男女も見当たらなかった。
「___でも、なんとなく知っている気がしたなぁ…」
これがすべての始まり