「美香!うち、彼氏できた!!」


「……またあ?」


嬉々として報告する由紀に、あたしは呆れ顔を向けた。


「高校入ってから何人目?」


「えーと……六人目!」


よくやるなあ……とあたしは小さくため息をついた。


由紀がまだなんかのろけ話をしているみたいだけど、あたしは適当に相槌を打ちながら書きかけの楽譜をまた書き始めた。


あたしはそんな話より、学祭に向けての準備で忙しいのんですけど。


そんな不満は何度言っても由紀の耳には届かない。




「美香も彼氏作りなよ、そしたらわかるって!」




……何を、分かれっていうの。