ーあの日の雨は最悪だったー


「うわぁー、雨かよ。部活出来きるの
かなぁー、どーする光?」

「どーするったて、どーしようもないだ
ろこんな雨じゃ、部活は出来ないよ
だから、今日は帰る」

そう言って俺は日向に言い聞かせる

俺と日向は幼稚園からの幼馴染だ
家が近いのでよくどっちかの家に泊まったりしていた

そんな話してたら、クラスの女子が
俺に話しかけてきた

「木栖君、隣のクラスの子が
呼んでるよ」

「あぁ、分かった」

(隣のクラスの子?…多分あいつだなぁ)

そう思いながら教室を出た
廊下に出ると、亜紀が前に立っていた
やっぱり俺を呼んでいたのは亜紀だった
亜紀は俺の自慢の彼女でもある

「あっ…光、ちょっと話したいことが
あるからきて」

そう言い、亜紀は俺の返事も聞かずに
歩きだした。

「ちょっ、おい、待てよ」


ーガラッ

亜紀が社会科資料室へと入っていった
どうも亜紀がおかしい、ここに来る途中
ずっと黙ったまま先を歩いていた。
いつもの亜紀なら、隣で楽しそうにしていた

そう思いながら教室に光も資料室へと
入った

「で?話しってどうしたの?」

「……」

光が聞いても亜紀は返事をしない
沈黙が流れるなか、やっと亜紀が口を
開いた

「…ごめん、光」

亜紀が涙ぐみながら言ってきた

「なにがごめんなの」

意味がまったくわからない

「私、好きな人が出来たの…
だから、別れよう」

頭の中が真っ白になって、言葉が出ない
俺は振られてしまったんだ…

「そっか…わかったよ」

「本当ごめんね…」

「心配すんなよ…俺は大丈夫だから
亜紀は自分の新しい恋に心配しとけよ」


俺はそういいながら、亜紀に背を向き歩き出した

「じゃあな、亜紀頑張れよ」

そう言って俺は資料室を出た




ー俺の最悪な日は雨だったー