少年は、困惑する少女をそっちのけでどんな遊びをするか思いを巡らしていたが突然

「ねえ！ なにがいい？！ 」
と、人差し指を口に当て空を見上げていた少年が急に少女の方を見て勢いよく話し掛けてきた。

少女がびっくりして固まる。
少年は目を丸くする少女をきらきらと期待を込めて見つめた。

その目は、遊んでくれる事を全く疑っていない。

「よくわからない。」
少女が再度そう言うと今度は少年が首を傾げる。

「遊び方が？」
少女は首を横にふる。
少年がさっき言っていた程度の子供の遊びは少女も知っている。
「じゃあ、なにがわからないの？」
「なぜ、遊ぶ？」
「え？」
「なぜ、遊ぶ？」
少女は同じ質問を繰り返した。
「え～と……、楽しいから？」
少年は、答えながら首をひねった。
その表情がなんとも愛らしく、少女は知らず知らず口元に笑みが浮かんだ。