家に入ると、誰もいなかった。
アイツもいなければあの婚約者もいない。
だからすぐお風呂に入って、すぐベッドに入った。
横においてあったスマホを触ると、そのタイミングで電話がきた。
それは夏鈴からで。
『大和から聞いたよ!?
またあの母親にやられたんだって?
なんで言ってくれなかったの...』
最初は大声だったのに最後の方は消えそうな弱々しい声で言ってきた。
ここまで不安にさせてしまったのか...
「...ごめんね」
『愛結には...傷ついてほしくないの...』
今にも泣きそうな声で。
「私なら大丈夫だから、さ?」
『暴力受けて大丈夫なわけないじゃん!!
我慢しないでよ!!』
ヒステリックに叫んだ。
「夏鈴....」
『親友が殴られてあたしが平気だと思う?
何年も何年も、ずっと我慢してきた。
愛結が"大丈夫"っていうからそれをずっと信じてた。
でも全然大丈夫じゃないじゃん!!
嘘つかないでよ!!!』
ずっと、って...
今までずっとそう思ってたの?