「──ついたぞ」


バイクから降りると、そこには見覚えのある景色。


「楓、」


「ん?」


「楓もこの海、結構好きでしょ?」


連れてこられたのはいつも来ていたあの海。


「あぁ。俺にとっても特別な場所だからな」


「そうなの?」


知らなかった、と。


そう言えば、言ってなかったからな、と言われて納得する。