「してた」


…最高にムカつく奴。


口を尖らせて拗ねると、そんな拗ねんなよって言いながら腰を引き寄せた。


「ちょ、楓…」


多分、私の顔は真っ赤だと思う。


でも楓は余裕そうな顔で、余計ムカついた。


──キーンコーンカーンコーン


「愛結ちゃーんっ!!って、うわっ!

シュウー!愛結ちゃんと楓がイチャイチャしてるー!」


「え?……あーあ、愛結ちゃん顔真っ赤だし」


「…ここでやんなよ」


「わーお、楓くんハレンチね~」


チャイムが鳴ったと同時に戻ってきた彼らを見て、


「ちっ…おめぇらうぜぇ」


楓は不機嫌になってしまった。


私はというと…


「愛結ちゃん顔真っ赤」


「う、うるさい…」


恥ずかしさで、楓の肩に顔をうずめたのであった。