「海人はさ、今幸せ?」
突然の私の問いに海人は唖然とする。
「...は?」
「だから、今幸せかって聞いてんの」
「あぁ。海龍って仲間がいるし。
楓や柊也や蘭、大和に下っ端の奴らにも会えた」
そう言う海人は、とても強い瞳をしている。
「なら別にいいんじゃない?」
「は?」
あっけらかんとした声でそう言う海人。
「いや、今がいいなら別によくない?...って思ったんだけど」
私そういう〝心に響く言葉〟みたいなやつ言えないから、と付け足せば。
「変わった女だな」と笑われて。
でも例え言えたとしても、そういうことを言おうとは、思わなかった。
「でももし、女嫌いをなおしたいって思うなら、ゆっくりなおせばいい。
誰だって苦手なものはあるしさ?」