「やばいって、すず!」




「そうだよすずちゃん!
汗が酷いよ…」




本番の10分前、衣装も着替え終えて、本番を待ってたんだけども、さっきから足の痛みが酷い。




朝は大丈夫だったのに…




「平気…、ここまで来たんだもん、やらせて?」




「でも…」




雅ちゃんが何かを言おうとしたとき、
私の頭を誰かがぽんぽんと優しく叩いた。




「大丈夫だよ、仲村さん。
小鳥遊さんは俺がサポートするから」




「岡本くん!」




や、ばい…そんなことされたらドキドキが止まらなくなっちゃうよ。




「あのね、岡本…」




「小鳥遊さんはさ、皆の見えないところで1人一生懸命練習してたんだ。
俺は、その小鳥遊さんの頑張りを潰したくない」




そういったあと、ぽんぽんしてる手を止めて、
座ってる私と同じ目線になった岡本くん。




「大丈夫、俺がいるから」




そんな言葉かけられたら、泣きそうになっちゃうよ。




岡本くん…大好き。