文化祭まで残り1週間を切ってしまった。
やっとセリフを全部覚えて、
通しで最初から最後まで出来るようになった。
今日の放課後練習は全部通してから、衣装合わせをしてた。
6時半になり、今日の練習も終わり、片付けようとしたとき…。
「この木邪魔だね〜」
「向こうの方におこっか」
クラスの女の子2人が木のセットを運ぶ。
私は草のセットをあつめて片付けていた。
「…きゃっ!」
突然女の子がそう叫んでそのこの方を見てみると、
見えたのは女の子でも、教室でもなくて…
木のセット。
ドンっ!
足に激痛が走り、その場に倒れ込んだ。
「すず!」
「小鳥遊!」
「小鳥遊さん!」
雅ちゃん、先生、岡本くんが私の近くに駆け寄ってきた。
「だ、大丈夫…だよ…」
とはいったものの、ものすごく痛い。
骨は折れてはいないと思うけど…。
「皆!木をゆっくり上げろ!」
先生の声で男子が何人か集まり、
せーの!と掛け声を掛けながら木のセットを持ち上げた。
「すずちゃん!ごめんなさい…
私が足元をちゃんと見てなかったから…!」
今にも泣きそうなクラスの子。
たしか、結城さん。
さっきの悲鳴は結城さんだったみたい…