「実はさ、大事な話があって」
突然、千尋くんが真剣な声で言うから、心臓がドキドキし始めた。
私と岡本一家5人はテーブルを囲むように座った。
「姉さんはさ、デザイナー志望…なのね」
うんうん、千夏さんはデザイナーになりたいのか!
「真尋はまだ小学2年生なんだよね」
年の離れた兄弟ってやつですね!
「そうなるとさ、俺がこの会社引き継ぐことになるの」
そうだね、千尋くんのお父さんがこの会社建てたんだもんね!
「…そのさ、将来の話になるんだけど……。」
千尋くんが一向に言わないことに痺れを切らしたのか、千夏さんは、ああーもう!と言ってから…
「今日はこれを話すために呼んだのに、言わなくてどうするのよ!千尋の意気地なし!
あのね、すずちゃん。千尋はここの会社の社長になる、千尋と結婚したら、社長の奥さんになるのね。
もちろん、仕事が回ってくる事があるの」
そういった。
ふむふむ…千尋くんと結婚したら……って
「け、けけけけ、けけ、結婚!?」
「ふふ、すずちゃん可愛らしいわね」
千花さん微笑む中、私は頭の中が爆発寸前で追いついていない。