「あら、すずちゃんじゃない!」
今度は奥から千花さんが出てきた。
「お久しぶりです!以前はありがとうございました!!」
私がそういうと、ニコニコしながらいいのよ!と言った千花さん。
「騒がしいでしょ」
あ、そういうことが…。
騒がしいってご家族の事だったんだ!
千花さんたちにリビングまで案内されると、
中には1人の男の人が此方を微笑みながら見ていた。
「君が小鳥遊すずさんかな?」
「は、はい!」
どことなく千尋くんと真尋くんに似ているその人は、きっ千尋くんたちのお父さん。
すごく優しそうで、でも男らしい。
そりゃあ、こんな美形一家になっちゃうわけだ。
「私は岡本 尋(ヒロ)。
ファッション会社の社長をしているんだ」
そこのファッション会社は、老若男女問わずに爆発的人気を誇っている超人気ブランド会社で、千尋くんが1人暮らしなのに高級マンションに住んでる理由がやっと分かった。