扉を開けるとソファーでくつろぐ人影が見えた

「元気そうだな!」

さっきの女子……
美島 唯だ

「え!?なんで?」
「お前がぶっ倒れたから連れてきた」
「てかキミもフラフラだったじゃん」
「中澤達が私を探していて、お前が倒れた時にちょうど見つけられたのだ」
「探してたって?なんで?」
「私が家出したから」
「家出?」
「中澤は私の執事」
「執事?」
「そうゆぅことだ」
「てかこのリッチな建物ってキミの家!?」
「そうだ、美島グループって知ってるでしょ?」

美島グループって言ったら日本を代表する会社じゃねぇか!
美島グループの社長の娘が家出して
俺がそれを見つけて
病院連れてこうとして
探していた執事が見つけて
おまけで連れてこられたって事?
俺、意味ねぇし
急に恥ずかしくなった

「あの…余計な事してごめん」
「!?」
「俺…もぅ大丈夫だから」
「いや、そんな余計な事じゃ……」
「じゃあね」

そう言って部屋を出て行った
大豪邸を出て庭に出ると中澤さんが車を止めていた

「よろしければ駅まで…」
「……すいません、お願いします」

車が出ようとすると窓から美島 唯が顔を出した

「助けようとしてくれてありがとう!」

そう言って彼女は隠れてしまった