白いドレスを着た女子だ
こんな寒いなか雨にうたれたら風邪ひくだろと思い少し心配になった
背は低く中学生くらいだと思う

「大丈夫?」

声をかけるとその子は少しおびえ気味にこっちを見た

「誰?」

誰ってなんだよ
誰でもこんな雨の中で傘ささずに濡れたら心配するだろ

「誰って言われてもね、ただちょっと心配だったから」

そう言うとその子は急にしゃがみこんだ

「……寒い」
「当たり前だろ!ほら、コレ使えよ」

傘とカバンから出したベンチコートを渡した

「ねぇ、何してんの?」
「関係ないでしょ」

人が心配してんのに何だよ
このままだと自分も風邪ひきそうだ

「じゃあ俺、帰っから」

その時、急に彼女が倒れた

「おぃ!大丈夫かよ!?」

凄い熱だ
息もかなり荒くつらそうだ

「救急車!だれか救急車呼んで下さい」

雨の音で誰にも届かなかった

「ちょっと待ってて」

そう言ってコンビニに戻ると中は真っ暗だった
停電したみたいだ
彼女をこのままには出来ないと思い走って彼女のとこに戻った

「これからキミを病院に連れてく!」
「……ほっといてよ」
「いいから!」
「あんたと関係ないでしょ!」
「うるせぇ!このままほっとけるかょ!いいから黙っろ!」

僕は彼女をおぶって雨の街を走って行った