「だからいい。過去のことなんて、もういい。
今、汐梨といられるだけで俺はいい。」


「うん、ありがと。」


「ケーキ、出そうか?」


「作ったんだ?」


「ったりめぇだろ。
10歳んとき、約束したじゃん。

“これから毎年、悠の誕生日には、
悠の大好きなケーキを作って、悠を笑顔にさせてやる”って。

覚えてるだろ?」


「あぁ、覚えてる。
忘れねぇよ。約束とか、初めてだったし。」