ふと松本結衣の姿を探し
目を合わせるけど
結衣は俺の顔を避け下を向く。
どうなってんだろ?
須田海斗はもう俺との会話を終わらせ
隣の席の女子と話を弾ませる。
まぁいいか
そのうち結衣と話をする機会があれば、聞いてみよう。
「身体弱いよなぁ」
「颯大は2人乗りできてラッキーかも」
仲間内男子の言葉は軽く
須田海斗に言いくるめられたようだけど
女子の目線はやっぱり冷たい。
うちの妹と母さんが
普段からよく言ってる。
『男の子って単純だよねー』と……。
こーゆーことなのか。
凪子は大丈夫だろうか
嫌な想いをしてないだろうか
俺の脳内の中
凪子の笑顔が一瞬にして、怯えたいつもの顔にチェンジする。
すぐさま
隣のクラスに行って
様子を見たかったけど
チャイムの音に邪魔されて行けなかった。
何となく
悶々としながら一時間目を受け
休み時間に隣のクラスへ行くと、凪子はいつものようにひとり座って本を読む。
自分だけの世界を持っているから大丈夫。
って雰囲気が伝わる。
芯は強いのかもしれない。
無表情な横顔を見ていると
昨日の笑顔を見たくなる。