あたしも
その中でたわむる
一人だった。


小学六年生のガキなあたし。

あたしは、
小学四年生のとき、
親の喧嘩のひどさに呆れて
家をとびだして、
しばしば夜中をうろついていた。

そんなとき、この公園でよく野宿
してて、
ある日、
ガラの悪そうな年上の男が
声をかけてきた

『お嬢さん、こんなとこで
なにしてんの』

『家出』

『おまえガキだろ
はよ家かえりい』

『…やだ』


『そんな幼い顔したまんまじゃ
誘拐されるよ』

『…別に』

『明日まで帰らな承知せんからな
ここは俺らの溜まり場だ』

そういって、
男は仲間たちと
公園の真ん中の建物にもどっていった。


この建物は、
集合場と呼ばれていた。