話を聞いてるだけじゃ、七海くんの話とは言えしんどくなりそうだし。


「皐月大附属か…?」


隆が答えた。


皐月大附属は県内トップの進学校で俺の頭じゃ絶対入れない。


「正解!結果的には桜高に入学したけど…本当は皐月大附属にも余裕だったらしいんだ。」


唖然としてるみんな。


「でも、なんで瑞葉のお父さんたちは桜高に来たのかな?」


原西が言った。


皐月大附属と桜高じゃランクがかなり違う。


俺も原西同様疑問に思ったことがある。


でも理由は単純で、俺とほとんど同じだった。


「七海くんと父さんは近いっていう理由と…バレーがここら辺じゃ一番強いから。俺が桜高入った理由とほぼ同じ♪」


『ほぼ』なのは、俺の理由には瑞葉が入ってるからだ。


そう心の中で思い、瑞葉を見ると郁ちゃんは?と言いたげな顔をしていた。


「郁ちゃんはわからないんだよな…。でも七海くんと父さんとは偶然同じ高校を志望してたらしいよ?」


俺の思い違いかもしれないが、補足として言っておいた。


瑞葉は「へぇ~」とうなずいていた。


どうやら思い違いじゃなかったみたい。