「そういや、悠紀がパン食べてるトコ見た事ないな。」


「あたし米フェチなの。パンは口の中がぱさぱさするから嫌い」


「米フェチ、って言い方おかしくない?」


私は吹き出した。


「でもパン嫌いはお母さんの遺伝だよ、朝食にパンが出た事なんてなかったもん」


悠紀はフフ、と笑った。


彼女が、自然に母親の話をした事に私は驚きを隠しきれなかった。


「ん?どうしたの?」


「えへ、うちは朝はいつもパンだから、正反対だなぁと思って」


私はそう言うと悠紀はにっこり笑った。