空をぼんやり眺めていると
「桜町~桜町~」
と言うアナウンスが流れた。
『降りなきゃ…!』
そう思って席を立つとグイって誰かに腕を引っ張られた。
もう、何なのよ!
降りれなくなるじゃない!
「ちょっと、離してよ…!」
あたしが勢い良く後ろを向くと立っていたのは
「え、真空(まひろ)さん…?」
高校2年生のあたしの1コ上の先輩の橘(たちばな) 真空さん。
バスケ部のキャプテンとエースを勤めている。
茶髪のサラサラした髪の毛に二重のパッチリした目、170はある身長に爽やかな雰囲気。
あたしのタイプだけど真空さんはモテるから付き合うことなんて出来るはずがない。