side 一馬


なつは嫌そうだ。
とても、練習どころではなさそうだ。

「なつ、数学教材室行こうか」

「え!ちょっ!」

俺はなつの手を引っ張った。


「何…泣いてるの?」

「ごめんなさい。ごめんなさい。
叩いて…ヒッグ…痛かったよね…ウヴ」

「俺がいけない。お前を傷つけた。」

「う、ウゥ…」

「俺の事嫌い?」

なつは首を横にふった。

「好きってことでいいんだよね?
俺の彼女はお前だよな?」

なつは首を縦にふった。

俺は思わずなつを抱きしめた。


新聞部が見てる何て知らずに…。