「おいしい」

「よかった、お変わりも在るよ」

「いいんですかっ」

せわしなく箸を動かし、菜穂は勢いよくすべてを平らげた。

「ごちそうさま!」

口を拭い、菜穂は満面の笑みで言った。
志和も満足げに微笑んでいる。

「また、おいでよ」
「いいんですか?」


「僕が、また君に会いたいんだ……ずっとそう思ってた。何より、気がかりだったしね」


「気がかり?」

「君は、寝てる間に僕とあってるんだよ」

「え?」

志和の発言の意味が理解できず軽く小首をかしげた。

「夢遊病ってやつかな。よく、外を夜中に歩いてた」

「覚えてない……」

「そりゃ、そういうものだから」