そんなものを見ていると胸の鼓動が高鳴ってくる。

「メイク、して見ます?」

メイクどころか、石鹸で洗顔しかできない菜穂にとっては初体験だった。
黙ったままコクリとうなずくと化粧台に案内される。

まずは洗顔、そして化粧水で肌を整え下地に入っていく。

チークは桜色、アイラインは墨のような純黒をまつげを埋めるように引いていく。
マスカラも黒。そこにつけ涙。アイシャドウは淡い黄色に、ラメが効いている。

口はグロスだけで済まし、髪の毛はゆるく巻いてみる。