お湯を振り切って体をボディーソープ(生まれて初めて使った)でごしごしと洗い、気分をリフレッシュさせると、大理石でできた床を丁寧に歩いて浴槽を出た。

「湯加減はどうでしたか?」

いきなりのメイドの登場に目を見開いて思わず固まる。
数秒して、そういえば着替えなんてものは持ってなかったのだと気がつく。
タオルを渡されるがままに体を拭い、カラカラと音がする方向に目をやると、服が大量にハンガーに掛けられたものが複数運ばれていた。